デザイン工芸学科Development of Fine Arts

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染織造形

染織造形
染織造形に関わる多様な素材や技術を修得し、 現代社会における新たな表現を探究する

染織は古来より人間の生活において基本的なものであり、生活を豊かにするものとして、身体や暮らしを華やかに彩ってきました。染織の素材である繊維と染料は、他の素材にはない光沢のある美しい色彩と優しい質感と秀でた可変性を併せ持っています。そしてテーマ、構成、色彩、素材、染色技術、織技術が融合した染織芸術が世界各地で創造されてきました。中でも日本の民族衣装である「着物」は他国に類を見ない高い水準に達しました。現在も日本の染織およびテキスタイルデザインやスーパー繊維の開発による新しい繊維造形は、その独特な美意識によって世界から注目されています。本学の染織造形分野では、日本の伝統技術から現代技術までを研究した上で、現代社会においてより重要になっている染織芸術の可能性を素材、技術、知識といった多角的な視野から考え、染織造形の未来を切り開くことを目標としています。

  • 学習風景

授業概要

2年次では素材(繊維と染料)に関わる基礎知識を学び、染基礎実習(臈染、捺染)、織基礎実習(綴織、絣織)を通して染織造形の基礎技術を修得します。
3年次は浴衣(型染)と浴衣帯(組織織)、染織プロジェクト、テーマ制作を経て、染めと織りの専門性を深め、創作活動を広げます。
4年次は各自が卒業制作のテーマについて研究し、卒業作品を完成させ、自己表現の確立を目指します。なお3年間を通して公募展などにも積極的に出品しています。

卒業後の展望

染織造形分野では、繊維、染色、織物に関わる知識と高度な造形力を体得し、現代社会における国内外の多様な分野で活躍できる人材を育成しています。すでに本分野からテキスタイル、グラフィック、インテリア、ジュエリーなどの各デザイナー、染織造形作家、染織文化保存、教員など幅広い分野で活躍する人材を輩出しています。

工房紹介

染織造形では、染色を行う染色調合室、染の制作を行う染色工房、織の制作を行う織工房、デザインを作成するパソコン室、プロジェクトを進める制作室を完備し、日本の芸術大学において最も優れた染織工房の一つとなっています。染色調合室には染料と器具を備え、染色工房には各種の防染ができる設備と広い洗い場などを併設し、織工房には京都西陣において特別に製作された綴織機(50cm巾?90cm巾?200cm巾)18台などを設置しています。また、空間造形を制作するための展示設備や植物染料園があります。学部生、大学院生、留学生、社会人講座受講生、教員は、各工房を自由に使用して創作活動を行い、活気のある環境となっています。

教員一覧

染織造形

  教員名 専門分野
教授 倉内 啓 染織造形
准教授 野田 睦美 染織造形